早稲田大学出身、ドレスデザインから一般アパレルデザイン、オーダーメイドシステム開発まで・・幅広い経歴をもつデザイナー・宮崎能典氏
国内外のコンクールで受賞歴をもち服飾デザインを最大の武器とする。
一方で早稲田大学商学部、アパレル企業ではデザインに没頭する傍ら、MD(マーチャンダイザー)も務め、商業的の知識や経験を積む。
独立後、得意とするオーダーメイド分野でシステム開発を行うなど、幅広く才能を発揮、
白衣ブランド・レピウスでは従来のユニフォームメーカーと差別化を図り、女性らしいデザイン、男性らしいデザインを強く意識した商品を製作。現在に至る。
「CONCEPT HAKUI」企画では、宮崎氏はデザイン力を発揮できるようなテーマを話し合った結果、今回はトランスジェンダーをテーマとすることに。
本ページではプロフェッサーズラウンドスタッフにてインタビューさせていただいた様子を抜粋動画を含めてご紹介。
宮崎能典氏・インタビュー(抜粋)
・・・・(前略)・・・・「それでは、ご自身のブランド白衣について教えてください」
「従来の安い白衣は男女兼用でした。私は男女差を明確に作り、女性は女性らしく(ウエストがくびれたデザインなど)、男性は男性らしい(肩幅が広くしっかりとしているなど)デザインを意図的に取り入れて、差別化したものを作りました。」
「女性デザイン、男性デザインを意図的に白衣に取り入れてきましたが、今回CONCEPT HAKUI」ではトランスジェンダーをテーマにしましたね」
「もともとファッションの世界でトランスジェンダーは受け入れられてきたと思っていたのですが、ただ、ファッション以外の世界ではトランスジェンダーはまだまだ受け入れられていないと実感しました。そして特に保守的な世界でもある医療業界の白衣で扱ってみたらおもしろいのではと思いました。」
「(なるほど)」
「例えば女性が男性の格好をすることは市民権をえているといえます。・・戦前ですと川島芳子さんが東洋の男装の麗人といわれていたり、戦後ですとハリウッド女優のマレーネディートリッヒさんが女性でパンツスタイルがかっこいいというスタイルを打ち出しました。女性が男性の格好をするということは歴史的にも受け入れられてきた経緯があります。ただ逆に男性が女性の格好をするということに対してはまだまだ抵抗のある社会だと思います。一般的なサラリーマンがスカートやワンピースを着たり履いたりすることに対してはとても抵抗があり、なにをやっているんだというような奇異な目で見られることが多々あると思います。・・・・女性が男性の格好することはOKなのに、男性が女性の格好をすることはNG。難しい言葉でいうと性の非対称性といいます。こういった意識がどういったところでわれわれに根付いているのか調べたり挑戦してみたいところです。」
「トランスジェンダーをテーマにした白衣作りで難しいとこは?」
「男性が少し優しい感じの服を着ることに対してどこまで許容されるのかというところを色々手探りしながら、皆さんが、全員とまでは言わないまでも、ある一定数の方々が受け入れられるようなデザインはどこまでのものか、、。探りながらやっていますが、難しいところです。」
「(なるほど。)」
「洋服というものは常に時代の変化とともにドレスコードいいますか、ファッションも変化していきます。社会が変われば洋服も変わります。例えば今でいうとファッションのカジュアル化というものはかなり進んだと思います。フォーマルな場であってもカジュアルな格好が許されるようになりました。IT業界では普通にTシャツやジーパンで仕事されています。金融業界ですとなかなか厳しいかもしれませんが、、。おおむね時代の流れとしてフォーマルからカジュアルに変わるということは見られますし、白衣でもセクシャリティの分野でもドレスコードの変遷はあるかなぁとは思いますので、女性らしい服を男性が着ることに対してどこまで許容されるかを探っていくことは難しいながらも、おもしろいですね。」
途中経過、デザイン画などもお見せできればアップします。完成まで乞うご期待ください。
参加デザイナー・宮崎能典氏 プロフィール
宮崎能典 (Yoshinori Miyazaki)について
愛知県岡崎市生まれ。早稲田大学商学部卒業後、大学で学んだ哲学と社会学からファッションと流行の関係に興味を持ち、文化服装学院 アパレルデザイン科に入学。在学中に数々のファッションデザインコンテストで受賞。
1998年、フランスの権威あるファッションコンクールである
「仏オートクチュール プレタポルテ連合協会主催 第16回ファッションクリエーター新人賞国際コンクール」にて奨励賞を受賞。同時に日本デザイン文化協会賞受賞。
1999年 文化服装学院 デザイン賞受賞。
卒業後に日本を代表するデザイナーズブランドの
「HANAE MORI(ハナエモリ)」にてファッションデザイナーとしてのキャリアを開始。スーツやドレスなどのデザインを担当。その後、カジュアルブランドの「ロペ・ピクニック」にてMDと企画デザインを担当。
2009年に独立し、女性用のオンラインに特化したオーダーメイド 事業「Infinity Girl」を創業。
2013年に白衣ブランドの「レピウス (Lepius)」を創業。
2020年にオーダーメイドスタイルのビスポーク ドレス ブランド 「yoshinori miyazaki」
https://yoshinorimiyazaki.com/を開始。
「着る人を美しく装う」を信条に、美しいラインにこだわった洋服づくりをしています。趣味は映画鑑賞と散歩。