藤元医師・白衣ショップオーナー

現役医師白衣ショップオーナーに聞いてみた VOL.2~ドクター編~

来年、15周年の節目を迎えるプロフェッサーズラウンド。 改めてオーナー藤元にプロフェッサーズラウンド、そして医師としてまた個人としてのあれこれを聞いてみました。

オーナーが医師という職業になっていなければ、ここプロフェッサーズラウンドでスタッフとして働くことは無かった・・・。

ここまで様々なスタッフが店舗運営を引き継ぎ、現在のスタッフは業界違えど全員店長経験者。リアル販売のスペシャリストです。日々、それぞれの経験を活かしつつ、お客様にとってベストな1着をセレクトできるお手伝いをさせていただいてます。

今回はあらためて聞いてみたい事、ドクター編をお届けします。

オーナー藤元にインタビュー VOL.2~ドクター編~

プロフェッサーズラウンド・ロゴ
プロフェッサーズラウンド / スタッフ

医師を志したきっかけは?

白衣ショップオーナー(藤元医師・)
藤元医師 / 白衣ショップオーナー

洗脳です(笑)。医師だった祖父が、私の小さい頃、“大きくなったら医者になるんだ医者になるんだ“ と、毎日のように言い聞かせてくれたせいで、いつしかその他の選択肢は浮かばないようになっていました。結果的にやりがいのある好きな仕事だったからよかったんですけどね。自営業の二代目を育てる際などは、このようなやり方もあるかもしれません(笑)。

プロフェッサーズラウンド・ロゴ
プロフェッサーズラウンド / スタッフ

経歴を教えてください。

白衣ショップオーナー(藤元医師・)
藤元医師 / 白衣ショップオーナー

宮崎県生まれ、いわゆる複雑な事情で東京に来て、羽村町(現在の羽村市)の小作台小学校、羽村第一中学校を卒業。慶應義塾高校に入りましたが、医学部推薦に漏れて、昭和大医学部に入りました(よくあるパターンですかね)。昭和大の神経内科に入局後、学位をとって、関東労災病院に出向、神経内科専門医取得。そのあと医療法人社団鳳優会で訪問診療をしております。

プロフェッサーズラウンド・ロゴ
プロフェッサーズラウンド / スタッフ

現在の仕事内容について

白衣ショップオーナー(藤元医師・)
藤元医師 / 白衣ショップオーナー

鳳優会は、訪問診療に特化したグループです。2001年頃からやっているので、訪問診療所としては最も古い部類です。特に神経難病、ターミナルの患者が多く、できるだけ専門的な目で在宅患者をサポートしております。常勤医は全て内科系の専門医で優しい先生限定で募集しており、毎年多数のご応募を頂いております。専門的な先生方が在宅医療を普通に志す時代が来たんだと喜んでおります。そういうわけで学術機関との交流も盛んです。  あとはグループに訪問歯科、訪問看護、訪問美容室、そして当店もあります。増える女医さんを見込んで、企業内保育所も完備しております。みんなで頑張って、患者さんはもちろん、先生方、スタッフにも喜ばれるグループでありたいと思っております。

プロフェッサーズラウンド・ロゴ
プロフェッサーズラウンド / スタッフ

専門分野は?

白衣ショップオーナー(藤元医師・)
藤元医師 / 白衣ショップオーナー

神経内科です。私が幼い頃から母が神経難病を患っていたことが、専門にした理由です。いろいろな事情で母子家庭でしたし、日々とても不安でした。そんな病気を診られる医師になれたらと考えていました。

プロフェッサーズラウンド・ロゴ
プロフェッサーズラウンド / スタッフ

この仕事で大切にしていることは

白衣ショップオーナー(藤元医師・)
藤元医師 / 白衣ショップオーナー

在宅医療の主導権は全て患者さんやご家族にあります。もしも医学的に問題をはらんでいても、できるだけ患者サイドの希望を叶えてあげることが大事だと思っております。従って、我々はできるだけ専門的な観点から、さまざまな選択肢を挙げ、それぞれのリスクを説明し、患者さん側に選択してもらう、というスタンスで診療しております。歯科も看護も、報告書で連絡しあう手間を省いて、情報のタイムラグを減らすことも重視しております。患者さんたちが在宅で最後まで安心して気軽に相談できるように日々議論を重ねています。

プロフェッサーズラウンド・ロゴ
プロフェッサーズラウンド / スタッフ

やりがいはどんな時に感じますか。

白衣ショップオーナー(藤元医師・)
藤元医師 / 白衣ショップオーナー

お店にご来店いただく先生がたと同じです。患者さんが喜んでくれるから医師は寝食を忘れて頑張るんですよ。たまには嫌われるような厳しいことを言うこともありますが、信頼関係がしっかりできて、患者さんとなんでも言い合える関係性になると、やりがいを感じますね。

プロフェッサーズラウンド・ロゴ
プロフェッサーズラウンド / スタッフ

挫折しそうなったことはありますか、どうやって乗り越えましたか。

白衣ショップオーナー(藤元医師・)
藤元医師 / 白衣ショップオーナー

我慢強い方なんですが、医局に入って1年目の頃に一度ありました。当時はフレッシュの9月から、主治医業務も救急当直も一人だったのですが、医師不足のため、連休3日間連続で当直になったことがありました。そんなときに限って救急車きまくりで、三日三晩ほぼ寝ずに、食事もろくに取らず働きました。4日目はめまいがして、判断力がすごく低下して怖い目にあいましたね。もう死ぬかと思いました。でもそんなスパルタ生活のお陰で、2年目には大抵のことができるようになってありがたかったです。頑張った分だけ成長するんだと思いました。
 その経験があったので、以後どんなことがあってもくじけなくなりました。訪問診療を一人でやっていた頃も、連続しては眠れないけれど、短時間でも自宅のベッドで眠れるからありがたいとさえ思いました(訪問診療は夜自宅待機)。マゾになったということです。私の世代くらいまでの医者は仕事マゾが多いですね。

プロフェッサーズラウンド・ロゴ
プロフェッサーズラウンド / スタッフ

平均睡眠時間は?

白衣ショップオーナー(藤元医師・)
藤元医師 / 白衣ショップオーナー

中断もありますが、4~5時間くらいでしょうか。

プロフェッサーズラウンド・ロゴ
プロフェッサーズラウンド / スタッフ

コロナ禍に思う事は?

白衣ショップオーナー(藤元医師・)
藤元医師 / 白衣ショップオーナー

あまりにも沢山の切り口があり、とても一言では語り切れませんが、病院があふれ、わたしたちも在宅で新型コロナ患者を管理してきました。謎の感染症に、最初はみな命がけの気持ちで取り組んできました。最近は重症化する患者もぐっと減ったことと、診療にも慣れたこととで、ちょっと一息つけております。この感染症で、多くの医療的課題が明らかになりました。わたしたちも備えを怠らず、さまざまな事態に対応できるように頑張っていきたいと思います。

プロフェッサーズラウンド・ロゴ
プロフェッサーズラウンド / スタッフ

これから医師を志す若者にメッセージを。

白衣ショップオーナー(藤元医師・)
藤元医師 / 白衣ショップオーナー

私の出来が悪いからかもしれませんが、正直、医師国家試験は人間の記憶量の限界に迫っていると思います。それをなんとかクリアし医師になると、研修期間にその膨大な知識を現場での判断と行動に結びつける作業を延々と行います。患者さんの生命を握っているプレッシャーに日々さらされながら、睡眠時間を削ってカンファレンスや学会発表などを準備、専門的スキルを積み、学位審査や専門医試験を受けます。さらにさらに新しい医学的知見は日々更新されるので、常にアンテナを張り巡らせることが必要です。つまり、ずっと勉強し続けることを覚悟しなければなりません。精神力、体力をとことん必要とするそんな仕事を続けるには、医学への強い思いが不可欠であり、人生を捧げる覚悟が必要です(適当な気持ちだと、途中で絶対やめたくなります)。 夜更け明け方のコールに白衣をひっかけて救急センターに走り、処置の末患者さんを救えた喜びを感じられるようになった時、医師の戦闘服であり象徴でもある白衣の、本当の重みが理解できるかと思います。医学を目指して頑張っている大学生の皆さん、当店で白衣を試着し目を閉じて、そんな自分を想像してみるのも励みになるかもしれませんよ。頑張ってください!10年後に現場でお目にかかれる日を楽しみにしております!

Interviewee:藤元流八郎
Interviewer:プロフェッサーズラウンドスタッフ
Photographer:伊藤晴世