- 株式会社ワールド
- 神戸市生田区(現・中央区)で婦人ニット卸として創業。1967年に開発した第1号のトータルコーディネートブランド「コルディア」は、来年デビュー50周年を迎える。1993年からは、小売事業に参入し、百貨店、駅ビル、ファッションビル、ショッピングセンターにもチャネルを広げ、事業を拡大。「アンタイトル」「インディヴィ」「リフレクト」「タケオキクチ」「グローブ」「シューラルー」など多数のブランドを展開する総合ファッションアパレル企業。
- フィールドワールド
- 日本の大手アパレル企業、株式会社ワールドがてがけるメディカルウェアブランド。医学や研究現場のフィールドで輝く人々へ、ファッションアパレルのワールドから上質でお洒落な白衣をお届けしたいとの想いがこめられたブランド。
- フィールドワールド・プロジェクトリーダー
- 株式会社ワールドプロダクションパートナーズ・澤田 啓一氏へインタビュー
ファッションの街であり、医療産業都市でもある神戸
白衣をつくったきっかけはなんでしょうか?
ファッションの街であり、医療産業都市(※1)でもある神戸に本社を置く企業として、かねてより医療現場で働く人々のためにファッション性が高いメディカルウエアをお届けしたいという想いがありました。
そんな中、実際のお医者様からワールドで、おしゃれで格好いい白衣を製作して欲しいという声を頂いたことがブランド立ち上げに繋がりました。
※1:株式会社ワールドは、ポートアイランド(兵庫県神戸市中央区港島中町)に本社を置く日本の大手アパレルメーカー。周辺はホテルや展示場の他、神戸医療産業都市に指定されているエリアが近くにあり、数多くの医療関連施設や研究施設が設立されています。
兵庫地場産業「播州織」の新たな可能性に賭ける想い
白衣用に開発された播州織(※2)、独自の試みは大変でしたか?
播州織が持つ特徴を活かして、ドクターコートにふさわしい素材を開発するのに、何度も打ち合わせを重ね、サンプルチェックを重ねました。しかし、この素材開発を苦労だと思ったことはあまりございません。というのも弊社同様に、共同開発先の「植山グループ」様も播州織の新たな可能性に賭ける想いを強く持っておられ、相互前向きに取り組むことが出来たからだと思われます。
※2:播州織は、もともとは兵庫県の内陸部に位置する西脇市、加西市、加東市、丹波市、多可町の4市1町にまたがる北播磨地域で江戸時代から生産されてきた先染綿織物。
フィールドワールドの白衣に使用されている生地は、兵庫地場産業である播州織メーカーと共同開発したもの。
アパレルのエッセンスを白衣へ
デザインについてお聞かせください。
身体にフィットする様に設計したパターンをもとに、着用したときにかっこよく、洗練されたシルエットになる様に作り込んでいます。また、裏側には神戸の海をイメージしたブルーのパイピングを使用することでベーシックなドクターコートに個性を演出しています。
ただ、デザイン・製品化にとりかかるまでにとても時間がかかりました。
メディカルウェアの開発は、まったくゼロからのスタートでしたので、ノウハウもなく、マーケティングをはじめ医療機関や医療従事者の方へのヒアリングなど製品化に向けた情報収集にかなりの時間を費やしました。
御社白衣の、ズバリデザインの極意をお教え下さい。
機能面は素材特性をいかに活かすかをフォルム組立時点で考え、感性面はファッション性と美しさを優先し、一(いち)ワークウェアにならない様にデザイン設計する。これはデザイナー北村談です。
反響の広がりを実感
白衣専門店プロフェッサーズラウンドでは反響がかなりあります、ご感想をお聞かせください。
発売後、テレビや新聞などのニュースで取り上げて頂いてから問い合わせが増え始めました。また、御店舗でお取扱いを頂いて以降、さらに反響が大きくなってきているように感じます。
既にチーム単位でも採用していただいてますが、チームの士気向上と一体感につながっています、というお声を頂戴しています。
すこし想定外であったこととして、ブランドを立ち上げてから、夏の暑い時期に病院をまわり、長袖ドクターコートの出張試着イベントを開催したことがありましたが、思うように注文が取れませんでした。この経験から、院内が通年常温といっても、やはり季節は考えないといけないと考えを改め、現在はラインナップを増やしています。
たくさんある白衣の中から、「フィールドワールド」を選んでご注文頂いたとき、そして、お気に召して下さっているとのお声を頂いたときが一番うれしく、やりがいに感じます。