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『動体裁断®を採用、動きやすさを追及』CLIM DAIKANYAMA ・クリエイターインタビュー!【PART1】

CLIM DAIKANYAMA ー "解剖学に基づいた設計"さらに動きやすさを追求した素材の採用

一般的なメディカルユニフォームとは一線を画す、動きやすさと快適さを追求したブランド。今回は、その開発に携わるケイ.アンビエンテ株式会社・森信 啓太 氏に、ブランド誕生の背景やこだわりを伺いました。

プロフェッサーズラウンド・ロゴ
プロフェッサーズラウンド / スタッフ

本ブランドは人体の動きを考えた「動体裁断®」を採用していますが、そもそも動体裁断®とはなんでしょうか?

森信啓太氏
森信 啓太 / ケイ.アンビエンテ

「動体裁断®」は、中澤先生が、人間の皮膚の構造を研究・分析したうえで考案した技術です。 その名の通り、<身体の動きに適応した型紙>を用いて、生地を立体的に裁断する手法をのことをいいます。 主にスポーツウェアに活用されることが多いですが、今回我々はメディカルウェアに採用しました。 正確にお伝えするには説明が長くなりますが...。

・・動体裁断®に関する資料を提示いただきました。 せっかくなのでなるべく詳細を掲載しておきます

平面裁断とは

平面裁断

紙の上で寸法に基づき決まった計算式を用いて設計を行う方法。個人差が出にくく、安定したものができる。大量生産に最適。

立体裁断とは

立体裁断
ボディの形をした人形に布を貼り付けていき、立体的に設計を行う方法。着用する人のシルエットを美しく見せるとともにフィット感があがる。 ただし、あくまでも直立姿勢に合わせてつくっているので、「動き」という概念がない。

動体裁断®とは

動体裁断®(どうたいさいだん)とは、形態学や解剖学の研究を基に開発された「動きやすくて、疲れない衣服」のための技術。機能系被服デザイナーである中澤愈(ナカザワ・ススム)氏によって開発された。 立体裁断がボディの形に合わせて設計を行うのに対し、動体裁断®では、関節が自然と屈曲している胎児の姿勢をニュートラルポジションとして、設計を行う際の基本姿勢としている。
動体裁断

人体の皮膚の研究と運動量の計算

人体に5cm四方のラインを引き、運動することによって、皮膚がどのように動くかを研究。 皮膚自体にストレッチ性はないため、伸びた部分に皮膚に刻まれているシワによるものである。
動体裁断説明
5doutai
実際に解剖されたお尻部分の皮膚
人体の皮膚

人体の中で運動量が多い部分はシワが大きく刻まれている

デルマトームと皮膚の境界線

皮膚を支配する皮神経には境界線(皮節構造線)がある。前は、ウエストからバストポイントを通過し、前腋窩を通って指先へ抜け、後ろもウエストから後腋窩を通過して指先に抜ける。いわゆる衣服でいうプリンセスラインが袖口までつながっている。サイドには脇線に似た境界線があり、袖下線を通過して手首にぬけ、肩は前後のヨークに似た線がそのまま手首までつながる。
デルマトームと皮膚の境界線イメージ

デルマトームに合わせた動体裁断®の衣服パーツ

皮節構造線に合わせてパターンを作成することで、皮膚と同様の構造のパーツづくりが可能になる。 必要な運動量を設計の中に取り込むことが可能。医療従事者の普段の動きの中より運動量を計算 し、CLIMブランドのメディカルウェアは設計されている。

比較データ(スクラブ)

身体を動かすことで起きる衣服内圧力(ツッパリ感)の差を比較。値が大きい方が圧力(ツッパリ感)が高い。
比較データ(スクラブ)

比較データ(パンツ)

比較データ(パンツ)
・・動体裁断®に関する資料を本ページに記載したところ、やはり長くなってしまいました。次回以降でCLIM DAIKANYAMAについてお伺いしていきます